9期 オランダ

Hello everyone! Does anyone enjoy your daily life?

 私は、オランダのTU-Delftという大学で水供給に関する研究を行っています。正直、毎日楽しいことばかりではなく、むしろ、辛い思いや戸惑いや大変なこと、悔しいことのほうが多いです。しかし、それらも含め、すべて私の人生にとって最高の経験だと思って日々一生懸命頑張っているところです。小学生のころから漠然と行ってみたいと思っていたヨーロッパ。悔いのないようにやりたいことは全部やっておきたいと思います。皆さんも、やりたいことは失敗や人目なんて気にせずガンガンチャレンジしていきましょう!


 

 

第1回

 オランダへ来て2週間経ちましたが、まだ家がありません。現在は大学近くのホステルに住んでいます。そこでは、同様の学生がたくさん泊まっているため、夜ご飯を一緒に食べたり、サッカーの試合を見たりと毎日楽しくやっています。家の数に対して、国外からくる学生が多いうえ、日本のように不動産会社がなく、個人個人での交渉になり、ヨーロッパ圏外の人や伝のない人は家を探すのにとても苦労します。そのほかに、オランダへ来て驚いたことは、ハンドブレーキのない自転車があることです。どのようにして、止まるか、、、ペダルを逆に漕ぐとブレーキがかかります。また、カード社会なため現金が使えない、オランダの銀行が発行しているデビットカードしか使えない、なんてこともあります。ほかにも日々日本との違いに驚かされています。
 現在、私の研究室には、私を含め8人の修士の学生と博士の学生の方がおり、オランダ人、ドイツ人、イタリア人が在籍しています。また、私の担当教員はイギリス人であるため、普段は英語のみで生活ができます。しかし、ヨーロッパの学生の英語のレベルは高く、時々、聞き取れないことがあります。また、言いたいことを言えないことやうまく聞き取ってもらえないこともありますが、諦めずに話し続けています。基本的には、みんな優しく、お昼は外の芝生でご飯を食べたり、寝転がりながら談笑したりして楽しくやっています。また、Delft International Team という大学のサッカーチーム(ほぼドイツ人)に入り、毎週サッカーをしています。このチームには、企業がスポンサーについています。日本では、これはあまりないことで、オランダでのサッカーの地位の高さがうかがえます。

 

 

 

第2回

 オランダの生活にも慣れ、研究室の人たちとインターナショナルディナーのようなことをしたり、毎日とても楽しく過ごしています。すこし風邪をひいたときには、一緒に住んでいるウクライナ人にウクライナ料理(ウクライナ人が風邪をひいたときに食べる赤いカブスープ)を作ってもらったり、昼飯の時間にはオランダ語を教えてもらったりしています。
 生活に必要な手続きも終わり、研究面では、取り組むべき課題が分かってきました。また研究の関係で予定していたウガンダへの調査に2~3週間行くことになりました。人生初のアフリカ(野生の動物、赤道、ウガンダの食べ物)、未知の世界なのでとても楽しみです。
 こちらでの休日は、自分の趣味(旅行、サッカーなど)に時間を使っています。ずっと参加してみたいと思っていた人生初のアムステルダムマラソンにも参加しました。アムステルダムの街並みを見ながら走ることができると聞いていたのですが、マラソンに集中しすぎてほとんど街並みを見ていませんでした。また、オランダで所属しているサッカーチームでは、チームも個人も調子がよく、チーム内でも仲のいい友達ができ、サッカーについて語り合ったり、夜には一緒にサッカー観戦にいったりしています。こんな事ができるのも小学生の時から今までサッカーを続けさせてくれた両親のおかげだと思い、今さらながら両親には本当に感謝しています。
 平日は研究とは別で英語の授業を取ったり、オランダについて学ぶワークショップ(オランダ語やオランダの文化、ルール)に参加したり、オランダ料理教室に参加(オランダ料理を食べるため)してみたりしています。最近オランダっぽいなと思ったことは、自転車のサドルにサドルカバーの広告を付けられることです。雨も多くなるしサドルカバーがもらえてよかったと思っていたら、まったく雨を弾かないタイプで・・・・これはお土産として持ち帰ることにします。

 

  

 

第3回

 水質測定項目や渡航期間も決まったことにより、着々とウガンダへの渡航準備や情報収集を行っています。そんな時に役立っているのが、トビタテ留学のコミュニティです。トビタテ生のコミュニティは世界中にあり、僕のように留学先からほかの国にフィールドワークに行く時や旅行する時などにとても役立ちます。ウガンダにもトビタテ生が留学しており、現地にいるその方たちから、VISAについて、予防接種、必要なもの、おすすめの宿、治安の悪い場所、SNS税!?などの情報をもらっています。また、研究面では、水質測定キットが届き次第、現地で行う水質測定の練習を学校の実験室を借り年内までに行う予定です。
 少しずつですが、研究の内容が具体的になってきたことで、自分から研究について、教授に提案することができるようになってきました。教授からは質問攻めに遭うこともありますが、それらを通して、自分の考えがより深まっていくような気がします。そして、ミーティングの最後に毎回教授の書いたメモをくれるのですが、すべて癖の強い筆記体のため、半分以上解読が困難です。。。筆記体を読む練習をする必要もありそうです。
 また、学内にあるスポーツセンターでは夕方5時ごろから夜11時まで、学生向けの音楽教室や芸術教室、スポーツ教室があり、最近はその中のコアトレーニングやヨガ、ダンス(zumba)に通い、研究で疲れた体をほぐしています。
 そして、ついこの間、最後の引っ越し(3回目)が終わりました。この家にたどり着くまでにホステル→シェアハウス→シェアハウスとFacebookで見つけた家を間借りし、いろいろな思い出、友達を作りながら2回の引っ越しをしました。最後にたどり着いた家は学校から自転車で5分ほどの家でシェアハウスではありません。また、これまでは、友達の家に招待してもらうことが多かったのですが、次回は、自分の家にも招待してみようと思います。
 12月には、クリスマスパーティやクリスマスマーケットが始まるため、クリスマスマーケット名物”スパイシーホット赤ワイン”を飲んでみようと思います。

 

 

 

第4回

 今回はオランダのクリスマスと年末年始について紹介したいと思います。なんと、オランダにはクリスマスが2回あります1つ目は12月6日のシンタクラース祭です。オランダではシンタクラース(サンタクロースの元祖とも言われている人)祭が日本でいうクリスマスに当たるため、この日の朝に子供たちはプレゼントをもらうそうです。また、町にはシンタクラースの格好をした人とその家来(黒塗り)がお菓子を配っており、とても華やかな日でした。一方12月25日は、ほとんどの店が閉まっており(スーパーもやってません)、日本でいうクリスマスのような華やかさは無く、みんな家族とゆっくり過ごしているようでした。
 ヨーロッパのクリスマスといえばクリスマスマーケット!オランダのデルフトでもクリスマスマーケットが1日だけ開かれました。倹約家なオランダ人は、このようなイベントへは、節約のため、家でご飯を食べお酒を飲んでから行きます。クリスマスマーケットでは名物グリューワインやオランダ料理などたくさんの屋台が出店していました。また、教会の内外で演奏や合唱が行われており、みんな音楽に合わせて歌ったり、踊ったりしていて、初めてのヨーロッパのクリスマスを存分に楽しむことが出来ました。
 年越しには、町の至る所で花火があげられていました。オランダの花火は日本のように綺麗なものは少なく、爆音のする打ち上げ花火や爆竹がほとんどでした。また、至近距離で爆発するため、花火のカスが上から降ってきたり、横から飛んできたりとかなり危険でした。年越しは毎年、家族と過ごしていた私にとっては、衝撃的で最高の思い出になりました。そして年が明けた1月1日、オランダ伝統行事の「New Year Dive」に行ってきました。New Year Diveでは昼の12時ちょうどにオランダ国内の海や湖などに一斉に飛び込み新年を祝います。また屋台やDJブースも出ていてとても賑やかでした。私はNew Year Diveのなかでも一番規模の大きいScheveningen(スケベ人間ではないですよ)というビーチに行き飛び込んできました。真冬の海は死ぬほど寒かったですが、日本にいるとこのような機会は中々ないのでいい経験になったと思います。

 

 

 

第5回

 TU-Delftでは、研究に使用するためのデータを取るため、ウガンダの首都カンパラを中心として水道水の水質調査を行っていました。アフリカへは初渡航でしかも1人だったため、渡航前はかなり不安でした。しかし、現地の人たちはとても優しく、日本人に対していい印象を持っているようで、大きな危険などは感じることはありませんでした。
 天候もよく昼間は30度以下、夜は20度程度でオランダと比べ日照時間も長いため、気持ちよく生活することが出来ました。私の宿泊していたホステルは、シャワーは水で、洗濯も手洗いでした。断水や停電もありましたが、これもアフリカらしいなと思い楽しんでいました。ホステルからウガンダでお世話になっていた会社までは毎日バイクタクシー(ボダボダ)を使用して通っていました。かなりスリルはありましたが、それが楽しくなり初日から最終日まで毎日乗っていました。ウガンダの外食は安く1食150円ほどで食べることが出来ました。特にロレックスというウガンダのローカルフードはとても好きでした。
 研究面では「文化の違い?」にとても苦労しましたミーティングが4時間遅れでスタートしたり、1日で終わる調査を丸二日かけたり、重要なメールに返信しない、リクエストしたことは次の日には忘れられている。限られている時間の中で焦っていてもウガンダ人の働き方に圧倒され、思うように研究が進みません。価値観の違いで、日本人の私とは優先順位が違うのだと思います。オランダ側の先生にもせかされ、かなりストレスが溜まっていた時期もありました。
 フィールドワーク中には地元の人々と話をする機会もあり、ウガンダの病院を訪れた際には、汚染された水により、病気にかかってしまった人達とも話すことが出来ました。その人達から「水は人々にとって命だけど、水は人も殺すんだ」と言われた時に、何とも言えない複雑な気持ちになったと同時に、現在行っている研究の重要さを再確認させられました。また、水源であるヴィクトリア湖の浄水場や、中心部から離れたスラムやローカルマーケットにも訪れ、現地でどのように水が処理され使われているかも見ることが出来ました。
 ウガンダでの生活は研究活動も含めとても苦労しましたが、現地の人たちと関わり、生活に触れることで、文化の違いや考え方・価値観の違いを理解することが出来ました。このような機会を下さった先生方と渡航の際に協力してくださった方々にはとても感謝しています。

 

 

第6回

 留学中、どのようにコミュニケーションをとればいいかとても悩んだ時期がありました。留学当初は、英語のスピードも速く、周りの雰囲気に圧倒されてしまい、会話の輪の中にもうまく入れず、悩みました。しかし、自分の話や自分の好きな話をして自ら会話の輪を作ることで、会話に入れないという悩みを解決しました。また、相手の言っていることが多少分からなくても、自分に関連した話題なら予測しながら会話することができました。そして、自分について知ってもらうことができました。話すことに抵抗がなくなってからは、会話の輪の中にも入っていけるようになり、最後には、冗談も言い合えるようになりました。
 私は今回の留学で大きく3つ達成できたことがあります。1つ目はしゃんしゃん踊りの披露、体験会の開催です。私は、日本文化発信プロジェクトの一つとして、「カメラジャパン」というロッテルダムで開かれていたイベントに忍び込み、しゃんしゃん踊りの披露、踊り体験を行いました。2つ目は学会への論文提出です。この抄録が通れば香港で行われる学会(IWA-ASPIRE 2019@Hong Kong)にオランダの先生と参加し、研究成果の発表を行います。3つ目は幼い頃からの夢であったヨーロッパでサッカーをするということです。オランダで所属していたチームでは、年齢、国籍、大学での立場を超えて本気でぶつかり合うことができ、一番自分の思いを伝えることが出来た空間だったと思います。得点した時、チーム一丸となって試合に勝った時の嬉しさは一生忘れることが出来ません。
 また、研究の一環としてウガンダへ水質調査に行きました。ウガンダでは理解しがたいことが毎日のように起こりました。それらすべて含めてアフリカらしさを感じることができ、いい経験になったと思います。
 私の所属していた研究室にはオランダ国外から来た学生が多かったため、自分の国の料理を作りあう夕食会を月に1度くらい行っていました。この夕食会を通していろいろな国の料理を食べることができたと共に、一緒に料理を作ることで友達としての関係も深めることが出来ました。帰国前日にもお別れ会を兼ねて夕食会を開いてもらい、本当にオランダに来てよかった、この人たちと出会えてよかったと思うことが出来ました。