14期 メキシコ

 こんにちは!メキシコで「サイエンスコミュニケーション」の実践留学をしています!
私をいつも突き動かしてくれるのは、「人生は一度きり!」、「迷ったらやってみる!」という言葉です。行動を起こす前はいろいろと考えてしまいがちですが、ちょっと勇気を出してアクションを起こせば新しい世界があちら側からやって来ます。これまで行動を起こして後悔をしたことは一回もありません。
 幸運なことに、鳥取大学には経験豊富な先生、先輩、国際交流課の職員さん、留学生が沢山います!ちょっと勇気を出して相談してみる、これがあなたの人生を大きく変えるかも!?

  

第1回

 私はメキシコのLa Pazへ、日本でも話題沸騰中の「サイエンスコミュニケーション」(以下SC)を学びにやって来ました。4年前に参加したメキシコ留学プログラム(2ヶ月間)で出会ったSC団体「PACE」のことが忘れられず、トビタテ留学でメキシコに戻ってきて一緒に活動しています!メキシコではSC活動が本当に盛んで、毎週必ずどこかでSCイベントがあります。私も海洋生物の多様性をテーマにした人形劇を実施してみたのですが、小さな子どもも喜んでくれて嬉しかったです。また、「expociencia」というイベントでは、小さな子どもが自分たちで行った科学研究をしっかり説明している姿が印象的でした。
 イベントの終わりにはメキシコの文化をたくさん味わっています。メキシコ料理は全部おいしくて、スモーキーなお肉とワカモレたっぷりのナチョスは一口食べると脳が溶けます。映画「リメンバーミー」のように、メキシコの街はとってもカラフルです。

人形劇 絶品ナチョス

第2回

 Hola! 今頃は、日本の大学生の皆さんは長い夏休みに入ったところでしょうか。どんな夏休みにする予定ですか?
 もちろん、メキシコにも夏休みがあります。しかも学生だけではなく、大人も含めてほぼ全員に!今年は7月の半ばから8月の半ばまでの1か月間がバケーションでした。ちなみに大学生は2か月間の休みがあります。
 飲食店やコンビニがバケーション期間中は開いていなかったりするので、食べ物を求めて探し回った日もあります(笑)。お休みするお店も多いのですが、教育関係者にとっては特別な授業を行えるチャンスです。いろんな場所でいろんな年齢層に合わせて、夏休み特別クラスが開講されています。私も2つ、参加してきました。
 1つ目は、心や体が不自由な子たちが楽しみながらリハビリできる施設“Teleton”で、子どもたちと一週間触れ合うボランティアに参加しました。車いすの押し方や、抱っこの仕方を研修で学んだり、一緒に工作をしたり、とても楽しい時間を過ごせました。日本のことを話してあげると、みんな日本の文化に興味津々でした。
 2つ目は、大学生のためのサイエンスクラブに参加してきました。メキシコ中からサイエンスに興味のある学生がラパスに集い、環境に優しい材料づくりと、その際に係る環境負荷について、実験を通して学び、議論し合いました。最後にはプレゼンをしましたが、パワーポイントのスライドだけではなく、音楽に乗せて学んだことをラップでプレゼンしてみたら、こちらの人たちは表現をするのがうまいことに気が付きました。
 たっぷりと時間のある時にしかできない課外授業、もっと日本でも広めたいなと思いました。

Teleton集合写真 みんなで実験 

第3回

 今回はUABCSでの私の大学生活を皆さんにご紹介したいと思います!
 メキシコでの大学生活は日本にいた時とはかなり異なります。まず、メキシコの大学は午前の部と午後の部に分かれていて、自分の生活スタイルに合わせてどちらかを選択することができます。午前の部は7時から13時まで、午後の部は15時30分から21時30分までの2部制なので、学生はアルバイトをして生計を立てながら大学に通うことができます。私は午前の部を選択しており、ホームステイ先からバスで通わないといけないので、朝5時半に起きることもあります(これが一番しんどいです💦)。バスはどこまで乗っても5ペソ(約35円)です。
 大学では「コミュニケーション学科」の授業を受けています。人々の心に響くコミュニケーションとはどのようなものかを学んでいます。具体的には、映像(YouTube)や音声(ポッドキャスト)などのツールを使ってコミュニケーションを取るための方法を撮影から編集まで勉強したり、それらの作品が受け手にどう伝わるのかを議論したりする授業が多いです。日本とは違い、授業中は常に誰かの手が上がり、静かな時間はほとんどないです。そしてほぼ毎週のようにプレゼンテーションの課題が出ます。プレゼンはPPTを用いるものばかりではなく、劇をする、模造紙でポスターを作る、ポッドキャストを録音する、ショートビデオを作成する、ラップを作詞作曲するetc…表現方法が様々でとても驚きました。そしてそれを難なくこなす、むしろ楽しみながらアッと驚くようなプレゼンを作るメキシコの学生たちにはもっと驚きました。日本にいた頃は”プレゼン”と聞くだけで拒絶反応が出ていた私ですが、今では「表現する楽しさ」を知り「受け手がどのように感じるのか」を考慮できるようになりました。そして動画や音声の編集技術を会得し、多様なプレゼンのツールを扱うことができるようになりました。
 授業はすべてスペイン語です。留学直後の3月には、スペイン語がほぼ分からなかったのですが、今こうして大学の授業を普通に受けることができるのは、とてもやさしいクラスメイト達のおかげです。授業の内容を英語に訳して教えてくれたり、グループワークにも率先して仲間に入れてくれたり、放課後は一緒にご飯を食べたりラパスを案内してくれたり。人種も言葉も違う私を温かく優しい心で迎え入れてくれる友達に、本当に感謝しています。鳥取大学の皆さんも、留学生と一緒に授業を受けているかもしれませんよね。もしも留学生が困っていたり、一人で寂しそうにしていたら、ぜひ声をかけてあげてください。異国の地で勉強することがどれだけ大変か、そして人の少しの優しさがどれだけありがたいことかを、私自身が留学生になって初めて知ることができました。

コミュニケーションの授業 通学に使うバス車内から クラスメイトとパーティー