8期 ドイツ

 Guten Tag!ドイツ🇩🇪 Technische Universität Dresdenへの留学を決めるに至った契機について書いていきたいと思います。

 私は高校生時代から誰もが持っているような「行けたらいいな」という気持ちは、大学に入ってからもずっと持ち続けていました。なので、大学に入ってからは大学の語学プログラムに興味を持ち、カナダ短期語学研修や2012年から募集が始まった、第一回台湾語学研修にも参加しました。また、異文化に触れることが好きだったので、研究室の同期生と卒業旅行として、インドネシアで11日間ほどバックパック旅行をしたこともありました。幸運にも海外に行く機会が多くありましたが、「どうせ・・・」精神を捨てきれませんでした。

 どうせ日本人にはJapanese Englishしか話せないし、研究で留学したいけど、どうせ自分が海外で通用するわけないと思って、なかなか本格的な留学には踏み切れませんでした。しかし、2017年、修士2年のときに、これまでの自分に踏ん切りをつける契機が立て続けに3つ訪れました。

 

 

第1回

【ボツワナでの研究補助の経験】

 2017年3月、私の指導教員の明石教授がアフリカ南部の国、ボツワナ共和国に行かれることになり、私は研究サポート学生として同行しました。

 初のアフリカ…どんな国なんだ?一体向こうで何をするんだ?教授陣4人の中に僕一人が投げ込まれ、ただただ不安でした。しかし、それと同時にワクワクでいっぱいでした。今までGoogleの中でしか存在していなかった研究対象国が、リアルなものになるなんて、こんな機会は滅多にありません。

 飛行機を二回乗り継ぎ、25時間。到着したボツワナは国旗が示しているように、透き通った青空が広がるとても美しい国でした。ボツワナでは圃場調査補助と先生方の研究報告の準備補助、研究報告会での研究報告をしました。

補助調査では僕が実験に使っている植物をこの目で見ることができ、感動して鳥肌が立ちました。報告会では背の高いボツワナ人に囲まれ、非常に緊張し、自分でもよく分からない拙い英語で報告したのは、今も苦い思い出です…。

それでも、貴重な体験ばかりでした。ボツワナでは牛がお金以上に大切で、その頭数でその人の貯金額が分かるほど価値があります。その名物の牛肉を干した、ビルトンと呼ばれる干し肉は病み付きになりました。そして、なんといっても一番の衝撃は昆虫食でした。モパネワームと呼ばれる、加工前は手のひらほどのサイズの幼虫を食べました。口にする前の拒否感はすごかったですが、食べると濃厚な旨味が口の中に広がり、見た目からは想像できない、まるで味の濃い鰹節を食べているようでした。

 ボツワナでは貴重な体験ができましたが、これらが留学の契機になったわけではありません。それは琉球大学の教授にボツワナ滞在中に言われたひとことでした。

「只野くん、研究って本当に大変なんだ。特に海外の人と研究すると、日本人みたいにすぐに事が進むことなんて無いし、考え方やしきたりの違いからトラブルになることもある。でも、困っている人たちのために俺らしかできないことがある。困難な状況下で難しい課題をクリアした後の冷えたビールなんか本当に美味しいぞ!君も研究という冒険に出ないか?」とても熱く語る先生に口説かれ、すっかり感銘を受けてしまいました。情熱がメラメラと伝わり、ほぼ消えかけていた海外留学の願望に再び火がつき、また今まで考えてなかった博士課程の進学を考えるようになりました。

以上が留学するに至った契機の1つです。