9期 カナダ

1年生の夏休みに国内研修、次の春休みにGlobal Gateway でアメリカに行ったことが、今カナダに滞在していることの一番大きなきっかけになりました。また、今回ここで暮らすにあたって、そのときの経験がいろんなところで大いに生かされているのを実感しています。お試し留学としてでも、長期留学の予行練習としてでも、そんなに身構えずぜひぜひトライしてみてほしいなと思っています。迷っている方は是非海外に出てみることをおすすめします!

 

 

第1回

 私は現在、トビタテ9期生としてカナダのバンクーバーに滞在しています。こちらでの生活の様子をお届けしたいと思います
 現在は学校から少し離れた街でホームステイをしており、基本的に食事は自分で用意しています。平日は語学学校に通っています。学校は基本的に午前9時から午後3時半まであり、自分で作った昼食を携えて1時間かけてバスと電車で学校に通っています
 学校では国籍、年齢、職業全てバラバラの留学生たちと共に英語だけを使って楽しく過ごしています。先生たちもフレンドリーで優しく、先日は先生も含めて食事に行ったりもしました。放課後はエキストラクラスを受けたり、直接ホームステイ宅に帰って英語を勉強したり映画を見たりしています。
 週末は、ホストファミリーと過ごしたり、買い物などに出かけたりしています。先週はThanksgivingを初体験しました。こういった、日本にはない文化を体験するとき、留学している実感が湧いてきます。私のホームステイ宅ではパーティを開くのが恒例とのことで、今年は私が作った寿司も振舞わせてもらいました(トビタテの条件の1つ、日本文化発信への貢献も兼ねて)!

 

 

第2回

 こちらにきてから経験した3つのHoliday、Thanksgiving、Halloween、Remembrance Dayについて書いてみたいと思います。
 まずThanksgivingは”秋の収穫を祝う”感謝祭です。アメリカでもよく知られた休日ですが、カナダでは10月の第2月曜日、アメリカでは11月の第4木曜日と、時期が違います(起源の違いだとか)。家族などで集まってターキーやパイを食べるのが一般的で、私もホストファミリーと友達を招いて楽しく過ごしました。その後1週間は大量のレフトオーバーターキーを毎日、毎食、食べていたので、もうしばらくはターキーを食べたくない気分です(笑)
 Halloweenは最近の日本ではおなじみですが、こちらでは仮装している人の数が断然違います。日本では特定の場所では仮装していますが、こちらでは、お店の店員さんもバスや電車に乗っている人も仮装していて、なかなか面白かったです。私の語学学校でも大体の生徒と先生が仮装していて、仮装のまま真面目に授業を受けるというかなりレアな体験ができました(笑)。アメリカと違う点としては、なぜかカナダではハロウィン=花火というところです。日本では花火といえば夏のイメージですが、一部のカナディアンは、ハロウィンが1番の花火のシーズンだと言っていました。実際私も家の近所のプチ花火大会に行きました。
 Remembrance Dayは、第一次大戦以降の戦没者を追悼する日で、11月11日にあります。「最悪の激戦地」となったヨーロッパのフランダース地方で、戦闘が終わった後、戦場を埋め尽くすかのように赤いポピーが咲いていたという出来事から、ポピーは「戦場に咲いた花」としてRemembrance Dayの象徴となり、実際、胸にポピーの花をつけている人をハロウィン後たくさん見かけました。本当に多くのカナディアンがポピーをつけていて、何だか温かい気持ちになりました。私も数日間つけていました!
 他に、Black Fridayというセールを経験したり、マリファナが合法化されるのをこの目で見たりと、ほんとにいろんなことを経験しています!そして最大のイベント、クリスマスに向けてそこら中でイルミネーションをよく見かけます。
 留学については、11月で語学学校を終えて、今月からインターンシップに入っているので、ここからは楽しい学校生活とはさよならですが、これからの新しい環境にも楽しめるように精一杯頑張っていこうと思います!

 

 

第3回

 今回は前回少し触れた、マリファナ(大麻)について書いてみたいと思います。
 2018年10月、嗜好目的でのマリファナが合法化されました。嗜好用大麻を合法化した国家はウクライナに次いで2例目となり、先進国では初めてのことです。カナダでのマリファナはこれまでは医療目的でのみ合法でした。
 カナダに来て初めて街を歩いたとき、「何この匂い!?」と思うような、これまで嗅いだことのない特殊な匂いに出会いました。それがマリファナだとは知らず、特に気にしていなかったのですが、マリファナ合法化の日、もちろんこれは話題に上がりました。道を歩きながら「マリファナってどんな匂い?」と友達に聞いてみると、「説明できる匂いじゃないから匂いしたときに教えるね」と言われ、「今してる匂い、これがマリファナ!」と言われたのが、”あの”匂いでした。それに気づいてからは、至る所でこの匂い。合法化前後で出会う頻度は全く変わりませんでしたが、マリファナを吸っている人が至る所にいるのはなかなか日本では見ない光景なので外国ならではの体験だなと感じます。
 さて、「マリファナが合法の国」というとなんだか危険そうな響きですが、マリファナを合法化するのにはもちろんきちんとした理由があってのものだそうです。
 これまでブラックマーケットで回っていたマリファナを合法化することで、ブラックマーケットに大金が流れるのを防ぎ、同時に規制をかけることで子供が簡単にマリファナを手にできる機会を減らすことなどが大きなメリットとされています。また、マリファナの健康への悪影響はタバコやアルコールよりかなり小さいため、マリファナには賛成という意見もよく聞きます。もちろん日本では違法なので、例えカナダでは合法でも私たちが所持すると法律で厳しく取り締まられます。
 外国人の友達たちはドラッグ事情にも詳しく、日本の常識とは違うことに気付かされます。ドラッグだけでなく世界情勢や政治に関してももっと予備知識があれば外国人の友達との会話が膨らむのにな、と思わされる日々です。

 

 

第4回

 今回は、ボランティアとして参加したSakura Days Japan Fairというイベントについて書きたいと思います。
 このイベントは、その名の通り桜をメインとした日本文化を発信する大規模なイベントです。日本庭園なども持つ大きな植物園を会場にして開かれ、日本の屋台が出たり、日本文化を楽しく学べるコーナーが設けられ、ステージでは多くのパフォーマーが様々な日本文化を披露していました。
 その中で私は、このイベントの10周年を記念して行われたスタンプラリーを担当しました。日本に関するクイズに答えられたらスタンプを貰えるというもので、私が担当したクイズは「What is Taiko(太鼓)?」でした。正直、Taikoという言葉は「Sushi」や「Karaoke」などに対してさほど知られていないと思ったのですが、たくさんの人(大人も子供も!)が「Drum!」や「Japanese Drum!」と即答してくれました。「なんで分かったの?」と何人かに尋ねたところ、「前に太鼓のパフォーマンスを見たことがあるから」とか、日本のゲームセンターでお馴染みの「太鼓の達人をやったことがあるから」という人が多かったです。もちろんTaikoを知らなかった人もいましたが、私が答えを教えるのはもちろん、大人が子どもに教えてあげていたり、お客さん同士で知っている人が知らない人に説明したりと、ただスタンプを集めるだけでなく日本文化を学んでもらえていることを実感しました。
 屋台には定番のたこ焼きや焼きそばの他に、ラーメン、焼き鳥、クレープ、ハンバーガー、こちらのフードトラックの大定番JAPADOG(日本風な具材が入ったホットドッグ屋さんです!)、さらには抹茶の辻利まで出店していました。
 パフォーマンスでは、津軽三味線や沖縄の太鼓、日本語学校の子ども達によるダンス、書道から太神楽まで、日本人の私でも見たことのないようなものを見ることができました。文化体験としては、着物の着付けや俳句、けん玉、生花の展示などが行なわれていました。
 今回このボランティアを通して、日本人はもちろん、カナダ人とも友達になれ、日本が好きな人にもたくさん出会えました。そしてこのイベントを間近で見られたことで、日本文化や日本の人気ぶりを再確認し、自分が日本人であることを誇りに思いました。とにかく日本すごい!

 

 

第5回

 今回は、帰国が迫った今私が思う、日本とカナダの違いを挙げてみたいと思います。
 まず、私が帰国したらやりたいことは「カラオケ」です(笑)カナダにもカラオケはありますが、質は断然日本の方が上、値段も安い!カナダのカラオケは何回か行きましたが、あるところではミュージックビデオがアーティストの声入りで流れているだけでカラオケですらなくてびっくりしました(笑)カラオケに限らず、日本のものは日本で買う方が安いし質も高いですね(^^)スーパーで買える日本の食べ物はもちろん、日本の商品もこちらでは2~3倍します。ほかには、外食の際の値段の安さです。カナダのレストランでは、そもそもメニューに載っている値段が高く、そこにさらに税とチップを加えなければなりません。1000円払ってappetizer(前菜)が買えるくらい。
 逆に、ここを離れると恋しくなるだろうな、と思うのは、自然いっぱいのこの街、いろんな言語や文化が入り混じるこの雰囲気、快適な気候、いい意味でも悪い意味でもゆるい感じです。すごく抽象的ですが。都会と田舎の混ざった街で気の向くままに自然を楽しむ人々、英語が流暢でもそうでなくても普通に一緒に生きている人々、寒すぎず暑すぎない気候、自分や家族を大切にする文化、「お客様は神様」ではない日本とは違う接客の形、オンタイムで帰宅する働き方、いろんな国の文化を吸収してできているゆるい雰囲気(笑)
 1年暮らしたくらいで分かることは限られていますし、奥深くにある私の知らないカナダはまだまだあると思います。しかし少なくとも、1年間過ごしてみて私はそのように感じ、そしてこの場所が好きだな、と思っています。
 そんな、私にとって完全に新しい世界だったこの地を離れるのは寂しくてたまりません。やっと友達ができてきて、こちらでの人脈が広がってきたと思ったら帰国。でも、それだけ楽しい時間を過ごせているんだな、と前向きに捉えて残された時間を楽しんでいます。最近の新しい楽しみは、週に1回のLanguage Exchange。日本語を学ぶカナダ人たちと、英語を学ぶ私たち日本人の交流の場です。そこで出会う人たちはびっくりするくらい日本語が上手く話せたり、日本が好きで私も知らないことを知っていたりと、外から見た私の知らない素敵な日本を見せてくれます。そんな刺激をくれる彼らとの別れは悲しいですが、大学に戻ったら私の経験をたくさんの人とシェアしていければと思っています。