14期 カンボジア

ជម្រាបសួរ ! (こんにちは!) 

 私は現在、カンボジアのASAP というNPO 団体にインターンシップを行っており、”貧困の暮らしの実態”を自分の体験を通じて、学んでいます。主な活動先はカンボジアの古都シェムリアップという街からバイクで1時間ほどのところにある「タットム村」です。ちなみにカンボジアではクメール語という言語が使われていて、上の挨拶は”チョムリアップスーオ”と読みます!カンボジアでは識字教育がまだ十分ではなく、村にいる人々の中には、母語のクメール語の文字すら書けない人も多く、クメール語がまだ上手じゃない私はいつも気合いで会話しています。

 

第1回

 カンボジアに来てからの3ヶ月で起こった私の貧困に対する心境の変化を紹介したいと思います。
 まず、こちらに来て最初に感じたことは、「あれ?貧困って、辛いもんじゃないの?」でした。だって、会う人会う人みんな優しく私を受け入れてくれ、そしてなにより笑顔が素敵すぎる!文字通り笑顔が輝いています。(ほんまに輝いて見える!!)日本にいるときは、「貧困は辛く苦しいもの」と思いこんでいた私は衝撃を受けました。
 でも、1ヶ月、2ヶ月といろんな人と会話していく中で、こちらの人々が持つ心配は「生活を明日も続けられるか」ということだと分かってきました。ある1人の女性が、「カンボジア人は、ただひたすら生きることだけを考え、頭にあるのは仕事、食事、お金、などの最低限必要なものだけだ」と言っていたのがとても印象に残っています。それを聴いた後では、街でよくある押し売り1つとっても目を見張るものがあります。(押し売りにも色々戦法があって、”泣き落とし戦法”、”粘り勝ち戦法”、”緊急事態戦法”、”yo, my man戦法”、と勝手に分類しています)
 そして、最近自分の貧困に対する見方を大きく変えた出来事がありました。タットム村でASAP が就労を支援していたお母さんの1人が、デング熱に罹り亡くなったのです。聴くと、この10年で就労支援を受けていたお母さんたち計10人のうち4人がすでに亡くなっています。今回亡くなったお母さんと私は先週まで笑顔で会話をしていました。私は今、深い悲しみと、リアルな恐怖を感じています。医療レベルの低さや、金銭的な問題、健康意識の問題など、多くの問題が複合的に生活のすぐ隣に隠れていたことを痛感しました。
 この3ヶ月でこのような心境の変化がありました。もちろん、こっちの生活は楽しいこともたくさんありますよ!次回はカンボジアに来て楽しかったことを紹介できたらなと思います。
 では、また!លាហើយ! (リアハウイ)

クメール正月前のパーティー 村の小学校の授業風景

第2回

 ជម្រាបសួរ ! (チョムリアップスーオ)―こんにちは!―
 カンボジアに来て、「ついにカンボジア人になった!」ことについて・・・
 カンボジア渡航前に、今回の留学の目的である“貧困のリアル“を学ぶために、「とりあえずカンボジア人になろう!」と計画し、食事や生活様式などすべて現地の人の真似をしようと心に決めました。
 そうして迎えたカンボジア入国初日、私が初めて食べたご飯には蟻がたくさんくっついていました。カンボジアでは冷蔵庫はないところが多く、基本的にそのまま出しっぱなしにしているので、蟻やハエなどが集っていることが多いです。(私は虫が苦手なので、そのまま日本への帰国便を予約しそうになりました笑)「これがカンボジアかー」と出鼻を挫かれそうになりながらも、覚悟を決めてしっかり完食しました。
 食事の次に慣れるのが大変だったのが、「トイレ問題」です。カンボジアのトイレにはもちろんトイレットペーパーはありません。代わりに水が出てくるピストルのようなもの、または、水がためられた水槽と桶がついています。使い方はもちろんトイレットペーパーの代わりなのでわかりますよね(笑)。タオル等もないので、事が終わればびしょびしょのままズボンを履きます。ちなみにその水槽の水でシャワーも浴びます。最初はとてもためらっていましたが、今ではもうへっちゃらです。(そうです。私、強くなってます!)
 そしてもう1つ、カンボジアに来てやろうと決めていたことがありました。それは、ローカルの散髪屋さんで「お任せカット」をすることでした。これでもう誰からも日本人だと疑われることはなくなりました。知らないカンボジア人から道を聞かれたこともあるし、現地人と外国人では料金が異なるサービスでも、私には現地人料金が請求されます。(本当です。)こうなるともう、「村の子どもたちとの集合写真」の中に日本人を見つけることは難しいでしょう。食事、生活様式だけでなく、見た目まで近づけることで、私は完全体のカンボジア人になりました。
 次回は、私が村の人達とどうやって仲良くなれたのか、について書こうと思います!
 では、また!លាហើយ! (リアハウイ)

村の子ども達との集合写真 カンボジアのトイレ お任せカットの結果