スタッフから一言 No.4

・・・スタッフから一言・・・ その4

 本学と南バハカリフォルニア州の関係は、さかのぼること約30年になります。その間、2001年~2004年の3年間、本学農学部が主体となって、JICA開発パートナー事業「メキシコ・乾燥地域における農業及び農業振興を実施しました。ここ南バハカリフォルニア州にて、感想に適した作物の栽培技術を確立、農家に普及させ、小中規模農家の経営開園及び農村の活性化を行うというのが目的でした。カウンターパート機関は、CIBNOR。本学農学部の教員十数名が専門家として、本プロジェクトの遂行にあたりました。

 さて、学生のレポートにもありましたが、今回のフィールドワークの担当教員である農学部の小林教授と乾燥地研究センターの安藤准教授は、実はこのJICA開発パートナー次号に携わっており、ここ南バハの農村での調査と農家の経営改善に従事していました。

 そして今回のフィールドワークの一環として訪ねた小規模農家は、開発パートナー事業でモデル農家として加わっていたフランシスコ氏の農場。彼は2001年に、JICA開発パートナー事業を、南バハのカリサル村で実施することが決まったとき、バスの運転手を辞めて新規事業に参入。ゼロからの農業スタートでした。当時の彼の圃場面積は3ha。何もない土地を開墾、灌漑設備を整備し、悪戦苦闘していたのを思い出します。

 今回学生のフィールドワークの一環で農家周りをるることになり、フランシスコ氏と久々の再会を果たしました。JICA開発パートナー事業が終わって6年の年月が経った今、3haの圃場は5haに拡大。作付け可能面積は22haで整備されており、灌水用のため池まで設置していました。そして10年前はあどけない少年だった、フランシスコの長男フランシスコJrが、UABCSの農学部へ進学。現在卒論執筆のために自分の圃場にて研究を進めているというではありませんか!

 プロジェクト終了後も独自で農業経営し、汗水流して少しずつ拡大成長したフランシスコシフ氏の姿をみて、この開発パートナー事業での苦労が報われたと思ったと同時に、改めて国際協力と国際交流の醍醐味を感じた瞬間でした・・・(NF)