The La Paz Times~ラパス便り~第9回

The La Paz Times No.9 From 01/11/2010 to 07/11/2010

 11月になりました。10月31日にメキシコではサマータイムが終了し、時間を1時間遅らせることにより、いつもより夕暮れがずっと早くなりました。すっかり涼しくなって、心地よいBaja日和が続いています

 

  1限目
9:00-10:30
2限目
10:40-12:10
3限目
13:10-14:40
4限目
14:50-16:20
5限目
16:30-18:00
11月1日(月) フィールドワーク5「ラパスにおける水と健康問題」
(医学系研究科 栗政准教授)
フィールドワーク6「半乾燥地の都市域における水利用調査」
(工学研究科 赤尾助教)
11月2日(火) スペイン語⑳ 国際コミュニケーション論⑧ 自然・生存環境概論⑤ 自然・生存環境概論⑥  
11月3日(水) フィールドワーク5「ラパスにおける水と健康問題」
(医学系研究科 栗政准教授)
フィールドワーク6「半乾燥地の都市域における水利用調査」
(工学研究科 赤尾助教)
11月4日(木) 自然・生存環境概論⑦ 自然・生存環境概論⑧ 中南米社会経済事情⑧    
11月5日(金) フィールドワーク5「ラパスにおける水と健康問題」
(医学系研究科 栗政准教授)
フィールドワーク6「半乾燥地の都市域における水利用調査」
(工学研究科 赤尾助教)

 今週から11月に突入しました。メキシコでは紅葉が見られませんが、風の匂いや朝晩の肌寒さでなんとなく日本の秋を思い出している今日このごろです。 
 さて、今週も死者の日や「ギネス世界一のブリートスへの挑戦」など、イベントの多い一週間でした。フィールドワークは先週に引き続き、水資源の管理と水に関する社会的な問題をテーマに行われました。赤尾先生はスケジュールの都合上ラパスの滞在は先週までのため、栗政先生の同行のもと各地視察見学に行きました。

 月曜日は Secretaria de Salud (保健省)La Paz から車で約2時間の小さな農村 San Bartolo を訪れました。保健省では、南バハカリフォルニア州の調査地の海水は一か所を除き100ml当たりの細菌数が約10個と、とてもきれいな水であるという話を聞きました。ビーチがとてもきれいな理由が良く分かりました。 
 San
Bartolo では、山のふもとにわき出ている水源を見学し、その後その水を利用して果樹農園をしているセルヒオさんの農園にお邪魔しました。水源にはプールのようにたくさんの水が溜まっていました。水不足が問題になっている南バハカリフォルニア州でこんなに水が豊富な所があることに驚きました。水が豊富にある分周りの植生もいつもの景色と違っていました。特にセルヒオさんの農園の中を歩かせてもらっているとき、森林のように広葉樹がたくさん立っていて本当にここはメキシコなのだろうか、と何度も思いました。同じ州の中にも水に困っている地域とそうでない地域があることを知りました。

保健省で説明を受けている様子

 

何人か井戸で遊んでいる人がいました。とても気持ち良さそうでした。

 

  

井戸から流れる水を近くの農家の牛が飲んでいました。

警備員さんはこの日だけ、日本人が見学に来るので問題がないか見に来ていたそうです。

 

 

 火曜日はちょうど死者の日だったので、スペイン語の授業で紙の骸骨に思い思いに服を着せて飾りつけしました。みんな真剣に紙を切っては貼って、いい骸骨を作ろうと必死になっているようでおもしろかったです。英語の授業ではテーマ自由の35分の小プレゼンがありました。私は先生の的確なアドバイスにたじたじでした。次のプレゼンではもっと頑張ろうと意力が持てたいい機会になりました。34限目はデービスから来て下さったカヤ先生の昆虫についての講義がありました。 

 

 みんなの力作、骸骨たち

 

 

 水曜日は、市内の幼稚園に行き、 SAPA水道局のスタッフの方が定期的に行っている水教育の現場を視察しました。子供たちに紙芝居やダンスを取り入れたストーリーで、「水は限られた資源であること」「水を大切に使おう」というメッセージを子供たちにも分かりやすく説明していました。

 

子供達は真剣に聞いて、プレゼントがもらえるスタッフの方の問題に、我先にと元気に答えていました。

とてもかわいかったです。

 

 

 木曜日は UC Davis 農業生物学科の Kaya先生の講義で、昆虫に関する授業を受けました。昆虫が刑事裁判での証拠材料として利用されていること、またいろいろな世界の地域で昆虫を食べる習慣があること、など教わりました。その中で実際にアメリカで売られている昆虫のお菓子を食べてみました。乾燥していて虫という感覚がなく、おいしかったです。また、メキシコでよく目にするウチワサボテンにつく Cochineal という虫をつぶした液体が染料になるということを教わり、実際にやらせてもらいました。

 


 

 

左に立っている方がカヤ先生。虫に親しみを持てた一日でした。

 

金曜日はプレゼン発表がありました。

 

 

 5回目のプレゼンということもあり、手持ちの資料を読まずに発表する人が多くなっていたように思います。フィールドワークでの調査に付け加えて各自で調べた内容もおりまぜながら、水問題を様々な視点からとらえていることが興味深かったです。 
また一つプレゼンが終わり、メキシコ滞在も残り約3週間になりました。気負わず、これからも風邪をひかないように気をつけて過ごそうと思います。(田中)

 

 

メキシコについて

 

 こんにちは。今回のメキシコについてでは、「 día de los muertos ~死者の日~」について紹介したいと思います。 
 この「死者の日」とは、文字通り死者の魂を尊ぶ日のことです。日本で言う「お盆」にあたります。しかし日本のお盆と異なる点は、明るく楽しくお祝いするということです。111日にこどもの魂が、2日に大人の魂が戻ってくるとされていて、毎年盛大に賑やかにお祝いされているようです。特徴的な装飾として、“Altar” というものがあります。この Altar とは故人の写真、十字架、花、故人が好きだった食物などを華やかに装飾した祭壇のことです。家の中や玄関、お店や公共施設、公園の中などにも置かれています。 
 Altar に加えてガイコツも死者の日における大切な装飾の一つです。死者の日が近付くにつれてお店には骸骨をかたどった装飾品がだんだん増えていき、いたるところにガイコツを見かけるようになります!たまにお店の中や玄関に大きなガイコツを見かけることもあります。大きなガイコツがかわいく華やかに飾りつけられている姿はすごく興味深いです。

 さて、次に私がメキシコ人の友達と一緒に行った、112日の夜に行われた大きな死者の日のお祭りについて紹介したいと思います。このお祭りはラパス市の中心街であるセントロの大きな広場で行われていました。メインステージでは死者の日ならではの劇や踊りが繰り広げられ、その周りにはたくさんのAltarや露店がずらりと立ち並んでいました。 驚いたのはメインステージや Altar の周りにいる人の多さです!どうやら次の日に行われる予定のブリートスギネスブック挑戦を見に来た観光客たちが、この死者の日のお祭りにも来ていたようです。人であふれかえっていて、何度か迷子になりました。(笑) もうひとつ驚いたのはガイコツの姿をした女の人です!どうやら仮装コンテストがあったようです。ガイコツに仮装した女の人や女の子を何人も見かけました。その姿は美しいとか怖いとか、上手く表現することができません。そんなこんなで、死者の日を友達たちと怖がりながらも楽しく満喫しました。

 以上で、今回のメキシコについて、「死者の日」の紹介を終わりたいと思います。11月にメキシコを訪れた際はぜひこの「死者の日」を体験してみてください!(末次)

 

死者の日のお祭り ガイコツに仮装した女の人と

 

お祭りでみかけたAltar その1

 

 

お祭りでみかけたAltar その2

 

コラム

 今週のコラムは、11月3日(水)にラパスで行われた前代未聞なギネス記録の挑戦について書きたいと思います。その挑戦とはズバリ「世界長いブリート作り」です。そもそも日本の方々はブリートとは何ぞや??とお思いでしょうから(私も日本を出るまで知りませんでした)、説明させていただきます。ブリートとは、タコスの一種で、具をトルティーヤというタコスで使われる生地でくるくる包んで巻いたものです。こちらでは外出時のお弁当によく食べられます。今回の挑戦ではフィシュブリートだったのですが、なんと具に使われた魚3t、トルティーヤで用いた小麦粉2t、全長2700mといった壮大な規模でした。ラパスの海岸通りであるマレコンは封鎖され大勢の人がせっせと朝から働いていました。 
 まずはトルティーヤ作り。トルティーヤが切れてしまうと記録更新が認められないのでみんな慎重でした・・・が、あれ?切れてない?まあ、少しくらいは御愛嬌。トルティージャ作りは夜中から始まり、早朝にセッティング完了。夕方を迎える前には中身の具作りが終了。さあ後は詰めるだけだ!と思ってその時を今か今かと待ち焦がれました。徐々に日が沈み始め・・・夕方となり・・・夜を迎えどまだ包まない!そうこうしているうちに、通りは人でごった返し始めてバンド演奏やら、MC やらのお祭り騒ぎに! 
 8時過ぎだったでしょうか、ついにお魚が詰められ始めて巻く工程が始まりました。あっという間にトルティーヤは巻かれて完成。すると通りの端の方からバイクの音が!強面のおじさんが運転するバイクの後部座席で、ギネス記録監視員がお姉さん座りしてブリートのチェックをしていました。ブリートはこの時アルミホイルに巻かれていて中身はチェックしないというかなり粗いチェックでしたが、記録更新は認められて無事終了。後はブリートを切ってみんなに配って食べるという大変心温まるイベントでした。(高木)

昼からずっと待ち続けた作業員達が具を詰め始める瞬間

 

記録更新が終わったら皿に小分けしたブリートを配ってもらえました。

普通のものよりも少し厚めのトルティーヤで巻かれていました。

 

 

          

                  

端から端がみえない・・・