【メキシコ海外実践教育プログラム】ラパス便り③④

おしらせ
公開日: 2023/09/20

メキシコ・ラパスで奮闘する学生たちの活動報告を“ラパス便り”としてプログラム実施期間中の8月~9月の間、お届けします♪

 

③ 壁画ワークショップを体験して (森合)

僕たちはここまでたくさんの異文化体験をしてきましたが、その中で最も印象深かったものを紹介しようと思います。

8月25日から26日にかけて、壁画ワークショップの授業を受けました。最初に1人1枚白紙が配られ、その白紙を4等分に分け、その内の1つのスペースに自由に絵を描きました。時間がきたら隣の人に紙を回し、さらに空いているスペースに絵を描くということを繰り返しました。その後、出来上がった作品で良く描けているものを数点ピックアップし、点数をつけ、最後に1枚の絵が選ばれました。こうやって自分たちの「世界に一つだけの壁画」の原案ができ、みんなで壁画を作成していきました。

僕は正直「なんなんだこの授業は」と最初は思いました。しかし、壁画が伝統的な文化であるメキシコとそういう文化があまりない日本との違いを再認識できたとともに、以前にラパスの町で壁画を見たときに何も感じる取ることができなかった自分の異文化理解の欠如を痛感するよい経験になりました。2日間かけて描き終えた絵を見てみると、感動もあり疲労もあり、色々しみるものがありました。違う国の方々と、一緒に協力してともに一つのことを成し遂げる、この間に「文化の違いや考え方の違いなんてない、そんなものは必要ないんだ」と実感しました。

壁画の原案を構想中
壁画作成中
完成後に記念写真

 

 

 

 

 

 

 

 

④ フィールドトリップ①に参加して (藤井)

¡Hola! メキシコに来て早くも4週間が経ちました。各々食事が合わなかったり体調を崩したりしながらも、メキシコでの生活を楽しんでいます。さて、今回は9月4日~9月8日の5日間にわたって行われたフィールドトリップについて紹介したいと思います。

9月4日、5日はSanta Rosalia(サンタロサリア)という町に行き、漁業や鉱業、歴史について学びました。この地域では巨大イカ漁が盛んに行われており、加工品のほとんどがアジアに輸出されていたようですが、乱獲や鉱業による海洋汚染、海水温の上昇等により、現在は捕れなくなってしまったそうです。鉱業については、現在カナダと韓国の会社によって開発が再開されつつあるそうですが、現地の人々の間で環境汚染や保有している資源が海外へ流出し、消失してしまうことが懸念されています。この地域はフランスの影響を強く受けており、街並みや建築様式など、各所でフランスの要素を強く感じました。また、地熱発電所を見学したり、Mulegé(ムレヘ)という地域に行った際には、オアシスや自然災害について学びました。私たちが訪れた時は草が生い茂っていましたが、雨の降らない時期には緑が無く、乾燥しているために火事も多いようです。

9月6日、小型の船でコロナド島に向かいました。コロナド島では、ハイキングやシュノーケリングなどのアクティビティを通して、生物多様性や生態系のつながり、昔と現在の地形や気温の違いなどを学びました。島に向かう途中には、イルカが泳ぐ姿やアシカが岩場で休憩する姿が見られ、とても可愛かったです。シュノーケリングは初めての経験でしたが、海中を泳ぐ多様な魚を近くで観察することができて感動しました。

9月7日、San Javier(サン・ハビエル)地域の小学校を訪問し、小学生に「色鬼」や「椅子取りゲーム」を紹介し、交流しました。その後、San Javier Missionという教会を訪れました。この教会はバハカリフォルニア州の中で二番目に古く、一番保存状態が良いと言われています。午後は一般の農家にお邪魔して、水路や育てているオリーブ・グアバなどの木を見学しました。樹齢300年以上のオリーブの木もあり、教会の訪問と合わせて歴史を感じる一日となりました。

9月8日、San José de Comondú(サン・ホセ・デ・コモンドゥ)の教会を訪れ、オアシスの形成の仕組みや水問題について学びました。その後、隣町のSan Miguel de Comondú(サン・ミゲル・デ・コモンドゥ)の農園を訪れ、アボカドやビートグレープ、サトウキビなどを見せていただきました。サトウキビとオレンジを混ぜることで作られる「panocha de gajo(パノチャ・デ・ガホ)」は、南バハカリフォルニア州で有名なキャンディーで、それを作るための道具や工程についても説明を受けました。

この5日間のフィールドトリップで、実際にメキシコの生活や直面している課題を知ることができただけでなく、私たちの「当たり前」という概念が大きく変わりました。地域によっては、ハリケーンの影響もあり、河川から溢れた水で道路が冠水していたり、土砂崩れで通行が困難になっていたりと道路状況も悪く、隣の地域に移動するのにも不便だと感じました。また、ただでさえ水の入手が困難な地域で、下水道が整備されていないために生活排水をそのまま地面に流し、近くに流れている川や帯水層を汚染することで、さらに水資源が限られてしまうという悪循環が出来上がっている例も見られました。こうした状況を完全に改善することは難しいですが、少しでも良くするために、また、持続可能な生活ができるように、今の私たちに何が出来るかを考えることが重要だと改めて感じました。

メキシコでの生活も残り約2週間となりましたが、関係する全ての方への感謝を忘れず、有意義な時間を過ごせるように努めながら、精一杯楽しんでいきたいと思います!

サンタロサリアにて
ムレへのオアシスにて
コロナド島でハイキング
サン・ホセ・デ・コモンドゥ教会にて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く