今週から農学部の日置教授のフィールドワーク「生態環境自習」が始まり、野外での実習が多くなりました。先週のハリケーンが去って気温が少し下がり、幾分過ごしやすくなってきましたが、それでも陽射しは日本と比較にならないほど強く、帽子とサングラスは手放せません!メキシコの降り注ぐ太陽の光の下、20名の学生たちはどのような1週間を過ごしたのでしょうか?
10月13日(月)
この日の2限目、国際コミュニケーション論の授業では、メキシコの学生とゴミ問題について話し合いました。
1日に自分達が出すゴミの量や、そのうちどれだけリサイクルしているかを考えました。また、話し合いの中でラパスではリサイクルがほとんど行われていない事を知りました。ただ、現地学生もリサイクルを促進する事は環境によいことであり、スーパーで大量に買い物袋を使用している現状に対して危機感を持っていることを学びました。
いつか日本の持っているリサイクルの技術を伝え、メキシコの更なる発展に貢献できればと思います。(西牟田)
10月14日(火)15日(水)
2日間の実習において、初日はCIBNORの植物保全地域内でバハカリフォルニア地区特有の植物を観察しました。写真とスケッチで植物を記録した後、教室にて植物の学名、特徴などを調査し、スライドを作成しました。
2日目は、前日に調べた植物が実際に合っているのか、作成したスライドをもとにCIBNOR研究者のDr.Jose Luis Leon氏に伺い、また実際に野外に出て植物およびCIBNORで行っている調査についての説明をうけました。
似たようなサボテンでも、少し形状が違うと分類が異なります。自分で「これだ!!」と思ったサボテンでも間違っていたため、植物の分類に関する難しさを感じました。実際に目で見て観察し、説明を聞くことで、メキシコ・バハカリフォルニアならではの、数多くの植物を知ることができました。多くを学べた2日間だったと思います。(岩城)
Dr.JoseLuis Leonによる南バハカリフォルニア州の植生についての講義
1・2限目のスペイン語の授業では様々な動詞を覚えました。querer動詞(英語だとwant)を用いて、それぞれの願望について発表しました。
その後二人一組になり、雑誌から人物や風景の写真を組み合わせて、それぞれ独自のストーリーを作り上げ、模造紙にまとめるという作業を行いました。
この日の3限目の授業は好例になりつつある「日本の地域文化と地域産業」。学生グループによる、日本の”Sake”(酒)についてのプレゼンを行いました。お酒の種類、蒸留方法、
飲み方などについて、説明を行いました。
今までの授業で一番多くのメキシコ人が集まり、次々質問をうけるとともに、あちらこちらでサルー!!(乾杯!!)の掛け声が聞こえました。どうやらメキシコ人のお気に入りは日本酒や焼酎よりも梅酒だったようです…(中村)
10月17日(金)・18日(土)
抜けるような青空の中、10月17日・18日とラパスの近くにある無人島「Espiritu Santo」のエコツーリズムに参加しました。
2日間とも天候に恵まれ、風も穏やかな中、充実した海洋・植生調査になりました。海洋生物観察では、深さによって生物の住み分けが形成されており、この島固有の種も多く見られ、とても興味深かったです。特に、Los Islotesという離れ小島ではアシカと泳ぐという大変珍しい体験ができ、アシカのコロニーの観察ができたことにとても感動しました。
また、海岸植生調査では苛酷な環境の中で生きる多様な植生を観察しました。強い直射日光とわずかな雨しか降らない中、動植物が生き抜くためのサイクルを形成し、海岸動植物帯を形成していました。
エコツーリズムに参加し、その地域特有の環境保全を学び、人間と他生物との共存について考えるとても良い機会になりました。(朝比奈)