プログラム参加学生から一言

学ぶことの目的

平成27年度プログラム参加                  
農学部生物資源環境学科(平成25年度入学) 藤 雅子

 

 この研修に参加した最も大きな動機は、良いGPAを取るための勉強に味気なさを感じたからです。「勉強がしたい」という強い志をもって大学に進学したので、大学では人一倍熱心に授業を受けて、努力をしてきたことを自負しています。しかし、良いGPAを取るためにただ生真面目に勉強するよりも、学んだことをOutputする能力を持つ方が重要だと気づき、自らの学びたいという意思のもと、学びをとことん突き詰めたいと思い、研修に参加することを決めました。

 このメキシコ海外実践教育プログラムは平成27年度で10回目を迎え、この年には新たに学生が自らテーマを設定して、調査・研究を行う自由研究が加わりました。私はこの自由研究を通して、「学び方を学ぶ」ことができました。派遣が決まってから、日本にいる間から自由研究の下準備を始めたので、半年間かけて学習や調査を続けてきたことになります。現地では渡航前のイメージと異なる点や、思い通りいかない点が多く、焦りと不安の中、日々を過ごしていました。その中で、授業中の先生の言葉、友達との会話、新聞など、どんな小さなことでも何かしら手がかりとなることがないかと、常にアンテナを張ってヒントを探しました。そうして、3か月をかけて徐々に糸を手繰り寄せるように、課題を紐解いていったようでした。答えも終わりもない課題に路頭に迷いましたが、そのもがきの過程の中で、学校の授業とは異なる、肌で感じる学びを体験しました。また、さまざまな研究者や政府機関とのコンタクトも自ら行ったのですが、躊躇せずに行動を起こし、明確な目的を相手に理解してもらえれば、意外にもどの機関も快く私たちを受け入れてくれました。自由研究に取り組んだことで、行動する前から無理だと決め付けて諦めたことが、今までいかに多かったかを改めて実感しました。

 “The more I learn the more I realize I don’t know. The more I realize I don’t know the more I want to learn.” (Albert Einstein) とあるように、人は絶えず学び続け、学ぶことに終わりはありません。そして、学ぶことで毎日毎日変わり続けることができます。さらには、学ぶことの目的は成功のためでなく、価値のある人間になるためだと考えます。メキシコ研修を終えた今、私のまだ知らない、無数の学ぶべき対象が目の前に広がり始め、いっそう学びたいという気持ちが強まりました。

 この研修は鳥取大学の先生方やCIBNOR、UABCS、ホストファミリー、サポート学生、ラパスの人々など、多くの方の協力なしでは実現できませんでした。異国での苦楽を語る上では、今年度の参加メンバーの存在も外せません。加えて、歴代の参加学生の先輩方が作ってきた土壌のおかげで、私たちはメキシコの地に立つことができていると感じる場面がいくつかありました。私は相手に感情を伝えることが苦手なので、研修中は「どうすれば、感謝の気持ちを伝えられるか。この小さなアメに精一杯の気持ちを添えるには?」といつも考えていました。だから最後にこの場でもう一度、研修に関わってくださったすべての方に、感謝の気持ちを伝えたいです。

 私はこの研修に参加できて幸せです。素晴らしい経験をありがとうございました。


新たな挑戦

平成26年度プログラム参加                 
農学部生物資源環境学科(平成24年度入学) 堤晴彩


 8月までの自分と3か月メキシコで過ごし終えた今の自分では、少し違う視野が広がっているように感じます。この3か月は自身の人生の中において、忘れることのできない貴重な経験となったことは間違いないと実感しています。

 鳥取大学に入学した当初、「留学」、「海外での生活」など語学に苦手意識を持つ私にとってはそのような言葉は遠い存在に感じていました。この大学4年間に海外で生活をすることなど考えてもおらず、本プログラムのことは知っていましたが、私は参加することはないだろうと思っていました。その後、大学での授業が始まり、木材や森林に関心を持ち始め、また、フィールドワークを通して自身の目で現地を見て知ることの重要さを学んでいきました。2年生後期に差し掛かるころ、学生のうちにすべきこととはあるのだろうかと考えることがありました。そのとき、失敗を恐れずに何か新しいことに挑戦することではないのではないかという答えに至りました。新しいことに挑戦することは安定している現状を壊すこととも言えると思います。それは怖いことではあるが、何か新しい発見があることも間違いない。この大学生活で今まで踏み出せなかった一歩を踏み出したい。そう思ったことが本プログラムの参加に至ったきっかけでした。

 本プログラムは9月から11月の3か月間にわたってメキシコでの海外生活を送るものであり、前半は学生宿舎での生活、後半はホームステイ先での生活となっています。英語、スペイン語の語学授業と現地の先生方による講義、フィールドワークが組み込まれています。英語での授業とレポート、さらには初めての英語でのプレゼンは、正直、辛いことが多かったです。しかし、思うように上手くこなすことができなかったことで自身の現在地が分かり、次へすべきことが明確になるのだと思います。また、フィールドワークを通して、メキシコ現地の農家への訪問や森林調査をできたことは貴重な経験となりました。やはり、机上では学べないことが現地にあり、真の現状は、日本にいてはわからないことが多いのだと思います。

 自身にとって本プログラムの中でも最も大きな経験はホームステイであっただろうと思います。言葉にも壁があり、食生活も文化も異なる人と約1か月を過ごすのです。上手く伝えられなかったり、または相手の言っていることを完全に理解できなかったりして、迷惑をかけてしまったと感じています。しかし、家族はいつも明るくたくさん話しかけてくれ、多くの思い出ができるとともに、人の温かさを感じる時間でもありました。これは人間力の中でも基盤となる部分だと思います。語学の勉強を続け、また家族に会いたいと強く思います。そのときには、上手く話せなかったことや伝えきれなかった感謝の気持ちを言いたいです。このホームステイではコミュニケーション力はもちろん人として大切で軸となる力を実感し、身に付けられたのではないかと思います。

この3か月は新しい挑戦の連続でした。日本に帰ってきた今、この得た経験と力を次にどのようにつなげていくかは今の自分の行動次第なのだと思います。この経験をただの名ばかりの経験に終わらすことのないように、今後の研究、さらにはより世界に視野を広げて、新たなことに挑戦する気持ちを忘れずに精進していきたいです。

 日本と言語も文化も習慣も異なるメキシコで3か月間過ごすことは、辛く感じることもありました。しかしその日々は新たな自分と出会える貴重な経験となることは間違いありません。また多くの人と出会うことで、人の心やあたたかさを感じ、あたりまえに思っていたことが、この上ない幸せなことなのだと気づきました。
 参加の決断を迷ってる学生さん。その一歩を踏み出した勇気は、今では想像出来ないほどの大きな収穫を生み出すこととなるでしょう。


ホストファミリーとの写真