H29年度ラパス便り第10回

公開日: 2017/10/26

南バハカリフォルニア州の自然環境について

 

11月12日から「南バハカリフォルニア州(BCS)の自然環境について」というフィールドワークが始まりました。このフィールドワークでは、降水量が年間200mmと鳥取の約10分の一しか雨が降らないBCSで、人々はどのように水を得ているのか、また、水質や汚染などの問題は何か、などを学びました。

今回は他のフィールドワークと違い、鳥取大学の先生ではなくUABCSの教授によるフィールドワークだったので、英語かスペイン語のみで講義が行われました。今まではどうしても困ったときや質問があるときなど、先生に日本語で質問できたのですが、今回はそういうわけにはいかなかったので非常に苦労しました。またこのフィールドワークは、かなりの専門用語や専門知識なども必要だった為、今までのフィールドワークの中でも難しい内容となり、英語やスペイン語も相まって理解するのに最も苦労した講義でした。

フィールドワーク2日目に、バスに乗ってtemporary riverと呼ばれる、ハリケーンなどの雨が降った際にできる一時的な川の見学やラグーンの水質調査、そしてウミガメの赤ちゃんの放流体験をしました。まだ猛暑が続く中での水質調査は体力的にとてもハードでした。海の水が含まれているために塩分が多く、塩生植物が育っている様子が確認できました。

ウミガメの放流体験では、ウミガメの保護や寄付、管理について学びました。そして、それぞれ一人ずつがウミガメの赤ちゃんを持ち、一斉に海へ放す瞬間は、ウミガメの赤ちゃんの懸命に波に向かう姿に自然の厳しさと生命の美しさを感じとても感動しました。

3日目と4日目のフィールドワークは1泊2日の泊りがけで行いました。過去に使われていた銅や金の鉱山による地下水の汚染や、水源の調査などについて学びました。私たちが宿泊したホテルにも水が湧いており、温度が50度ととても熱く、久々の温泉につかることができてとても気持ちがよかったのと、日本に帰って温泉に入りたくもなりました。とても苦労したフィールドワークでしたが、非常に多くのことを学べた講義となりました。(工学部3年 瀬越)

 

 

CIBNOR研究者の講義

 

私たちは普段行っているスペイン語や英語の授業やFieldwork、自由研究に加えてCIBNOR(メキシコ北西部生物学研究センター)の研究者の方々からも特別講義を受けています。講義の内容は毎回異なる分野で、私たちは専門的な話を、それを専門とする方から直接聞くことが出来ます。一つの講義は質問の時間を含めて1時間から1時間半設けられおり充実した時間を過ごしています。私たちは講義の途中でも、分からないところやもう一度説明してもらいたいところや気になることがあれば、その場で質問することが出来ます。研究者の方々は皆、親身になって私たちに話してくださり、さらに丁寧に質問に答えてくださいます。私たちはこのような恵まれた環境で講義を受けることが出来感謝しています。

講義の内容は主に南バハカルフォルニア州における、自然、海、観光、農業、気候など広い分野からなっています。講義はすべて英語で行われ、専門的な言葉も出てくるので、とても難しく感じます。毎回自分の英語力不足を思い知らされますが、そのたびに英語学習へのモチベーションが上がるので良い刺激だと思います。

私が一番興味を持った講義は農業の分野です。南バハカルフォルニア州で生産量が多い農作物が紹介されたのですが、1位がトマトで2位がチレということで、私が好きなトップ2だったので興奮したのを覚えています。ここのトマトにはチェリートマトとノーマルトマトがありチェリートマトの方が甘く値段も高いようです。ノーマルトマトは1キロ20ペソですが、チェリーでは一容器で50ペソほどです。さらにトマトにはビタミンが豊富に含まれていて、太陽の紫外線もプロテクトでき、こういった役に立つ情報も得られるので楽しく聞くことが出来ました。また、生産量2位のチレの良いところは、髪の毛を強くしたり、食事と一緒に取ると体重が減る効果が出たりなど、本当かなと思うことがありましたが、本当だったらすごいと思います。このように私たちが全然知らないことをこの講義を通して得られるので、とても貴重な経験だと感じます。この講義がすべて終わった時には南バハカルフォルニアについて詳しくなっているととても嬉しいです。(工学部2年 藤瀬)