ラパス便り第7回

公開日: 2016/10/18

招待授業(UC Davis講師)

¡Hola! 農学部生物資源環境学科3年の永井瞭汰です。

ラパスでの生活も半分が過ぎて、食事、生活にも慣れてきました。いよいよホームステイでの生活が始まるので、不安に思いつつも、よりメキシコの文化に触れることができるので楽しみです。

さて、メキシコ海外実践教育プログラムでは、アメリカのUC Davis(カリフォルニア大学デービス校)から招いた教授の授業を受けることができます。授業の内容はGPSについてのもので、GPSの概要、仕組み、使用方法などを2日間に渡って学びます。実は、この授業はかなり難しいということを事前に聞いており、メキシコに出発する前から予習をするように言われていました。

GPSは、普段の生活の中でよく耳にする単語ですが、その概要や仕組みは考えたことがありませんでした。授業は聞かされていた通り難しく、数式や難しい英単語がたくさん出てきてたいへんでした。しかし、講師の先生が優しく、ある程度進んだら質問を受け付けたり、重要なところは何度も繰り返し説明してくれたりしました。また、授業2日目には、実際に外へ出てGPSを使ってみました。コインなどの目印を大学構内のどこかにおいて、その地点をGPSで登録し、グループで探しに行くという宝探しのような実習をしました。GPSの機能は思ったよりもたくさんあり、スマートフォンに似ていると感じました。地点を登録すると、ある程度の誤差が生じますが、その意味を授業で説明を受けたので、納得しながら実習を進めることができました。宝探しの他に、GPSでポイントを登録しながら移動し、ポイントで形を作るというゲームもしました。私たちのグループは、円を作るつもりでしたが、うまくいかず、玉ねぎのような形になってしまいました。このように、GPSについての授業は実習を通して楽しく学べたので楽しかったです。これからもいろんな分野の授業を受けると思うので、楽しみです。

 

ラパスの昆虫について

 農学部3年の山岸です。今回のラパス便りはラパスの昆虫についてです。ラパスに来てから多くの昆虫を見てきましたが、特に気に入ったものについて掻い摘んで紹介したいと思います。

 メキシコはハンミョウの多様性が高く、中でもバハカリフォルニアからソノラにかけての地域は、メキシコにおいて最も地理的要因による多様性の高い地域とされています。今回の滞在では、これまでに4種を確認しています.

Cicindela carthagena collosea W. Horn

C. sinaloae digueti W. Horn

C. lemniscata rebaptisata Vaurie

C. gabbi G. Horn

うち3種は海浜性のハンミョウで、波打ち際を多くのハンミョウが走り飛び交う姿は圧巻の一言に尽きます。日本にも海浜や砂丘地に生息するハンミョウがいますが、それらは人間活動による生息地の消失により絶滅の危機に瀕しています。メキシコの海浜性ハンミョウたちはかなり波に近いところで生活している点で日本のものと異なっていることを目にすることができ、非常に興味深く感じました。残りの滞在でさらに多くの種を確認できればと考えています。

 メキシコといえばサボテンを想像する人も多いかと思います。ぼくも出国前からサボテンにつく昆虫に会えることを楽しみにしていました。写真の昆虫は Moneilema subrugosum Bland というサボテンを食べる大型のカミキリムシです。英名は Cactus longhorn beetle (サボテンカミキリ)といいます。個体数は多いようで、ウチワサボテンをかじっている姿や地面を歩いているところをよく目にすることができます。ずんぐりと黒色で、触角にある白斑がチャーミングです。

さて、ラパスでの滞在も残り半分を切りました。休日も予定が入ったりとフィールドに出られる時間は多くはないですが、限られた時間の中でまだ見ぬ面白い昆虫たちに出会うことができれば嬉しいです。